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大分の空っぽウニを特産品に
陸上畜養で地域経済と環境保護に貢献します

 

地方に人々の希望となる小さな灯火を灯したい。その灯火がやがて万という数に増えれば、国中を明るく照らすことができる。最澄が唐から持ち帰った言葉「一燈照隅 万燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)」は、大分県国見町小熊毛港で牡蠣養殖を始めた頃からの、わたしの座右の銘です。

地域が誇れる特産品をつくって、小さな灯火を灯すことで、漁業者に新しい収入をもたらし、町おこしができるのではないか。こうした想いで、国内や海外の参考例を探していた時に、2017年に磯焼けウニを畜養するウニノミクスに出会いました。海の生き物のゆりかごと言える藻場を食い荒らしてしまい、身が空になったウニを陸上で畜養するという画期的なアイデア。食用昆布の端切れを使った旨味成分たっぷりの独自の餌で育てることで、有名産地の天然ウニに引けを取らない品質のウニが実現できるのです。

大分県の無価値と見なされていたムラサキウニを価値ある商品に変え、地域の一次産業に持続可能な職業と雇用を生み出す。子供たちや若者が大分の自然に包まれながら暮らせ、復活した藻場に魚が戻ってきて豊かな漁場になっていく未来に向けて。大分うにファームの地方の小さな灯火がきっかけとなって、日本や世界中に持続可能な育てる漁業の灯りが広がっていくことを夢見ています。

 
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大分うにファームとは

地球温暖化などが原因で増えすぎたウニによって、海の森である藻場が食い荒らされる磯焼け問題。藻場は沿岸の一次生産の場であり、生態学的にも水産上も、有用な魚介類やその他の多様な生物にとって不可欠な生息場です。大分県の海の厄介者となったムラサキウニを価値のある商品に変え、地域経済、漁業者支援、環境保護を一石三鳥でかなえる循環型ビジネスを展開します。

大分うにファームの目的

磯焼け問題解消と漁業者支援 畜養のための磯焼けウニを地元漁業者から定期的に買い取ることで、ウニ駆除と地元漁業者へ新たな収入源を生むことを同時に実現します。 畜養ウニを新たな地域産業と特産品へ 活用されていない資源、ムラサキウニから新たな地域産業・特産品を生み出します。 大分うにファームはウニノミクス社が国内外で畜養試験を行ってきた拠点の中で世界初の商業規模拠点となります。日本全国、世界中の磯焼けに困る地域から注目されることは間違いありません。世界初の成功事例・ロールモデルとなり、大分県から世界へ発信していく使命感を持って取り組んでいます。

 
 

大分うにファームのこれまで

海の環境保全と磯焼けウニの畜養事業を世界中で展開するノルウェー企業、ウニノミクス社と手を組み、2017年から共同で実証試験に取り組んでまいりました。 大分県で商業規模でのウニ畜養を開始するため、 2019年3月に大分うにファームを設立。2019年12月に現場の一部が完成し、最大生産能力の10分の1の生産量で畜養を開始しました。2021年4月より本格稼働がスタートし、8月には県内および一部台湾に向け初出荷となりました。

なぜウニを陸上畜養するのか

大分うにファームが採用するのは、管理の行き届く陸上施設での閉鎖循環システムです。これにこだわるのは、海水温が下がり成長が鈍る冬の時期であっても、ウニの成長に適切な水温・水質に調整し、昆布の旨味と栄養が凝縮されたウニ畜養専用飼料を与えることで、美味しいウニを年間を通して畜養できるからです。これまでの実証試験結果に基づき、上記方法で飼育サイクル約8〜10週間、年間6期作を想定しています。専用飼料と陸上畜養の技術を組み合わせることで畜養ウニ産業を創出し、これまでウニ産地としては無名であった大分県から世界のウニ市場に革命を起こすという志です。

畜養ウニブランド「豊後の磯守」

国内、世界ともにウニ市場は拡大しつつあります。2019年に大分県内の旅館、飲食店を対象に行った畜養ウニの試食会では、非常に高い評価と商業規模での生産に期待を寄せていただきました。2021年8月の初出荷に伴い、畜養ウニブランド「豊後の磯守(ぶんごのいそもり)」が誕生。ふるさとと豊かな海への想いを込めて名付けたこのブランドは、今後、県内温泉旅館、日本料理店をはじめ、首都圏・海外への販売体制も構築していきます。