陸上畜養ウニの市場性
成長市場にあるウニ
日本は世界で流通しているウニの8割を消費する世界最大のウニ消費国です。国産ウニのみでは供給はとても追いつかず、多くはチリ、ロシア、カナダ、中国など海外からの輸入品に依存しています。
東京市場のウニ取扱金額でみると、市場規模は拡大傾向が続いていますが、一方でウニ取扱量が国内、輸入共に縮小が続いているのは、世界規模で地球温暖化による海水温の上昇とそれに伴う生態系の変化により、ウニの餌となる昆布などの藻場が減ってしまったことが主な原因として考えられています。
輸入ウニの価格も国産並に高騰し続ける中、国産ウニであり、かつ安定した品質を天然の旬に関わらず年間を通して安定して供給できる陸上畜養ウニの注目度と必要性は、今後ますます高まっていくことが予測されます。
また海外での日本食ブームにより高級寿司ネタであるウニの需要は、中国、香港、米国をはじめ世界の主要都市で年々拡大しております。大分県から海外市場を狙えるマーケットポテンシャルが世界には広がっています。
高まるエシカル(倫理的)消費への関心
エシカル消費とは人や社会、地球環境、地域に配慮した消費選択のことを意味します。このような消費者意識の高まりは今日では日本を含む世界中に広がりを見せています。特に世界人口の最大の割合を占めるミレニアル世代(1980年以降生まれ)が、商品やサービスを購入する上で非常に重視している判断基準であると言われています。また2015年の国連総会で採択されたSDGs「持続可能な開発目標」を重視する企業も増えています。
大分うにファームの畜養ウニを消費することで、磯焼け問題改善による藻場回復、ブルーカーボン、海洋生物多様性、地元漁業者支援、地域経済への貢献など波及効果は多岐に及びます。エシカル消費に特に気を遣う世界中のお客様へも、自信を持ってアピールできる商品です。
現在は、大分県内の温泉旅館、飲食店向け販売から開始し、大分うにファームの畜養ウニの知名度とブランド力向上に注力しています。中長期的には首都圏向けの販売、大分空港への好アクセスな立地条件を活かし、ウニ市場が急成長する海外市場をも視野に入れて販路戦略に着手しています。